アミノ酸スコア
では、9種類のアミノ酸が全て含まれて適切でバランスの良い食事をするためにはどうしたらよいのでしょうか?
その鍵となるのが「アミノ酸スコア」です。
全てのたんぱく質に私たちが必要とするアミノ酸が適切なバランスで含まれているということではありません。食品によって含まれる必須アミノ酸のバランスを数値で評価した者をアミノ酸スコアといいます。9種類の必須アミノ酸の量を全て満たしている食品はアミノ酸スコア「100」となります。このことを理解するためによく用いられるのが桶です。桶を覆う板の長さが必要なだけの長さに達していれば、桶にナミナミとみずを入れることができます。この状態がアミノ酸スコア100です。
板の長さがたった一本でも短いと、その長さまでしか水が入れられなくなります。つまり短い板が40となると、アミノ酸スコアは40んいしかならないということです。
この表からもわかるように、どちらかというと動物性たんぱく質がアミノ酸スコアが高く、植物性たんぱく質はアミノ酸スコアが低い傾向にあります。
中でもアミノ酸スコアが高い、つまり必須アミノ酸をバランスよく含んでいる者を「良質のたんぱく質」と呼んでいます。
特に年齢を重ねと胃酸の分泌が減り、栄養素の吸収が遅れるため、胃もたれや食欲不振を感じやすくなりますから、食事量が減ったり、肉料理を避けるようになるなど、食事内容がワンパターンになりやすく、アミノ酸バランスが崩れやすい傾向にあります。良質のたんぱく質である肉、魚、卵、大豆製品などをバランスよく、そして不足しないよう摂取することは、年齢とともに減少する筋肉の意地や内臓を元気に保つのにも重要です。
アミノ酸スコアの低い食品をとるときにはアミノ酸スコアが高い食品と一緒に摂ることで総合的な栄養価を高めることができますから食事は組み合わせがとても重要です。
大豆と精白米を例にとってみると、大豆には必須アミノ酸のリジンを多く含みますがメチオミンが少なく、逆に精白米には大豆に多いリジンが少なく大豆に少ないメチオミンを多く含みます。精白米の足らない栄養価を大豆が補い、一緒に食べることでアミノ酸の栄養価を高めます。
日本人が江戸時代以前に肉や魚をほとんど食べなくても筋肉などが丈夫な状態を築けたのは、米、豆腐、納豆、味噌などの大豆製品を一緒に食べ、必須アミノ酸をバランスよく食べていたからだとも言われています。昔からあるご飯と味噌汁の組み合わせは必須アミノ酸の確保には理想的だといえるでしょう。