認知症の人のBPSDとその対応
認知症の人のBPSDにはどのようなものがあるか?出現する要因や中核症状と関連ずけて覚えて行きたい。
認知h層の人の人のBPSDについてケアの側面から解決方法を理解していこう。
①行動の変化
認知症になると以前には見られなかった行動の変化が生じます。その対応には次の点に留意します。
認知症の重症度によって出現の仕方が違う
行動の変化には身体・環境など複数の要因が相互に影響している
行動の意味や理由を理解するためには本人の生活歴を知ることも重要。
症状を周囲が受容することで変化を的確にとらえ対応ができる。
②BPSDと中核症状
1 中核症状とBPSDとの関連
認知症が進むにつれて必ずしもBPSDが深刻になるわけではありません。中核症状は改善しなくても、健康状態や介護環境などの改善によってBPSDを減少させると考えられています。
③主なBPSD
1 不安
物忘れや失敗を繰り返し、線かつや今後について不安を抱く
2 拒否
何をされるかわからない不安がある時、また、人の世話になることでプライドが傷つくことで生じる、本人に理解できるような説明や、手助けを受け入れてくれるような関係作りが必要となる
3 攻撃性
思うとうりに生活できない苛立ちや、周囲からの間違いの指摘、非難に怒りの感情が強くなる、本人への接し方や介護環境を変えるなどの工夫で対応して行く
4 不眠と昼夜逆転
高齢になると出現する睡眠の障害は、入眠困難、途中覚醒、長時間の昼寝、早朝覚醒、夕方の眠気などがある。これは加齢による生理的な変化である
一方で、認知症の睡眠障害としては、アルツハイマー型認知症で見られる睡眠持続障害、睡眠時無呼吸症候群、レム睡眠行動障害(大きなこえで話す、笑うなど)、四肢運動障害などがある
認知症のBPSDとしては昼夜逆転や夕方になると落ち着かなくなる夕暮れ症候群などがある。
どちらも心理的な問題や体調不良、薬剤の影響などの影響をなくす日中の活動量を増やすなどの対応が考えられる。
5 妄想
妄想とは、事実ではないことを本人が真実であると強く確信していて、他社では訂正できない思考や判断のこと。
妄想の種類は被害妄想や、関係妄想、心気妄想やコタール症候群、罪業妄想など。
特に被害妄想は身近な人へ疑いが向けられるためトラブルになりやすい。
対応としては、本にの訴えを傾聴し、誤解が生じないようにする。
話題を変えたり、一旦本人の前から離れるなどしてみる
6 人物誤認症候群
認知症による見当識障害や人の顔がわからない、妄想や幻視などが原因。
これに不穏や攻撃的というBPSDが伴うと介護が難しくなる。
訂正や、指摘はせず、さりげなく受け止める一方で専門医への受診への支援もしておく
7 徘徊
以前は目的もなしに歩き回るという意味だったが、現在では認知症の人の徘徊は何らかの理由があると考えられている。すなわち、何かを探し回っている、何をすれば良いのかわからず戸惑って動き回る、自分の置かれている状況がわからず、安心できる場所に帰ろうとする。
不安や緊張で落ち着かなく動く、などが想定できる。
本人なりのりゆを突き止め、安心していまの場所にいられるような対応をする事が必要である。
また、地域の見守りネットワークがあれば、本人の安全や、介護者の介護負担軽減も図れる。
8 性的異常行動
側頭葉や大脳の障害、認知症による判断力の低下、抑制の欠如が原因となる。
前頭側頭葉型認知症では社会的な逸脱行為の一つとして現れる。
ケアの立場としては観察とともに介護者が相談しやすい人間関係を作りながら問題の解決を図る。
9 その他の行動サイン
食行動の異常
食べ物でないものを食べる異食、食べつずける過食、食べることを拒む拒食。
他に盗食、頻食などがある。
いずれも食事に関する認知機能が低下するために起こる。
食べたことを忘れる、味覚や嗅覚が低下する、食べ方がわからない、食べ物かどうか判断できないなどである。
食行動の異常は健康状態にも影響が大きい。
本人がどうすれば安全に楽しく食生活を送れるか、丁寧な観察とケアの工夫が必要である。
また、薬品などの異食は命の危険にも周囲は環境整備にも留意しなければならない。
10 不潔行為
BPSDの中に含められてはいるが、例えば弄便は自分で気持ち悪いので何とかしようとしたが、その方法がわからなかったのではないか?
放尿はトイレに行きたいが場所がわからなかった可能性はないか?
などと推測して対応する姿勢が求められる。
認知症には反社会的な行動としての不潔行為もあるので医療との連携もかかせない
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