前近代の家族意識
認知症のひとのケアを自宅で担う家族が多い中、その家族の動機付けは、その時代時代の背景に文化的なものがある。日本人の生活習慣に根付いた敬老・孝親思想、我が国の独自の家制度の中で築かれた『恩』『義』『忠』の精神が華族の介護動機につながってる事は否めない。
伝統的な家族制度は家長を中心とした家父長制度が家長権の元にそのしたみなを支配していた。
この制度や風習が決して悪いものではなく、その考えによっていまの時代が作られていたのかもね。
社会という世界の一部に家を作り忠や孝とにより維持される。勿論社会秩序の基盤となった。
戦後70年以上経過した、わが国の家族は核家族が定着するとともに、高齢化世帯が増加し、近年高度高齢化社会が訪れることは避けられない。
それとともに認知症のひとをはじめとする要介護者の介護が問題になる。なりつつあるやなるであろうとも言われているがもう今の時代避けられないであろう問題の一つだと思う。ほんと今の社会や時代に生きていく若者から高齢者まで考えなければならない。
現在認知症のひとの主たる介護者の多くは団塊世代の嫁、娘、妻であり、この時代の女性には『家』で年寄を世話するというわが国独自の家庭的秩序が残っている。夫や父が会社の為に奉公する中、家の繁栄のため家庭を守り、家事や育児を専念する彼女らの役割構成は必然的に年寄の介護を託すイメージになった。ここではしかし親への孝養を尽くすといったよりむしろ、世間体といった感情が支配し、『老後は子供と同居する』『老いた親を世話すべき』と言う感覚的な規範が残った。
1990年の『高齢者保健福祉推進10カ年戦略』ゴールドプランを境に、社会支援がクローズアップされ、個人の責任から社会資源を積極的に活用する介護へ変化された。
2004年4月
介護保険制度は21世紀の超高齢社会に向け、要介護者と家族の自立を地域社会で支援するシステムの構築を目指した構築で認知症のひとを家族とともに地域や社会が支援していく仕組みや独居高齢者が安心して地域で生活できる社会制度が整備され、介護の社会化が定着して行く。
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