人の老いと認知症
さて、弾丸のような活字が並べられ次々に脳内に飛び込んでくるようだ。
はじめに、認知症の前提となる『認知』と言う言葉を正しく理解しないといけない。認知症は、認知機能に障害や不全が生じ、正常に機能しなくなった状態を中核的な症状とするため、『認知』症と言う名称が用いられている。
この病名に対しては、厳密には認知機能障害や認知機能不全ではないかと言う意見もあるが、既に定着してきている。
認知症の症状や認知症のひとの心理や行動に関しては、これからのテキストにおいて詳細に取り上げらえているが、その前提となる認知、或いは認知機能不全とは何かということと、正常な加齢、老化による認知機能の変化について紹介されているので読み進めていこう。
認知症に羅患したひとには、疾病に関係したさまざまな症状が見られる。しかし、認知症である前に、それぞれの年齢や発達段階の心理的特徴を持つ個性と尊厳のあるひとりのひとでいうことに関連する。
認知症の症状に目を奪われてしまうと目の前の認知症の人を認知症という基点から捉え、一人の人であるという視点を見失ってしまうおそれがあるということに自戒の意味をこめて注意をしたい。
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